
*画像はGoogle Geminiにより生成された画像(生成日:2026年8月4日)です。
スポーツチームを応援している際、最も見ていて辛いのはどんな瞬間でしょうか。チームが勝てない時、自分が応援している選手が移籍した時、選手の大怪我を目撃した時などが一般的な意見となるでしょう。私は「自分が応援しているチームのフロントやオーナーが何をしたいのか、または向いている方向が分からない」という時に耐え難い苦しみを感じるのですが、今夏のトレードデッドライン(以下TDLと表記)でのテキサス・レンジャーズがまさにそうでした。
今回のブログでは、今夏のTDLでチームが敢行した2つのトレードの紹介・解説と今夏のTDLの評価と総括をしていこうと思います。
トレード① シルセス&オホッピー⇔アレナンド
rangers-seagernaiblog5.hatenablog.com
このトレードに関しては、先月投稿したブログで紹介したので今回は割愛させていただきます。19歳でポテンシャルはあるとは言えまだシングルAのマイナー選手で奪三振率の高い剛腕投手(シルセス)と捕手人材が壊滅的なチームのデプスを埋める捕手(オホッピー)、どちらも保有年数3年以上の選手と交換できたのですからこのトレード自体は非常に良い取引であったと思います。シルセスは移籍後3試合に登板し、移籍後2試合目こそ手痛い被弾を献上しましたが、概ね期待に近いボールのクオリティを見せています(案の定制球がかなり不安ですが…笑)。オホッピーも早くMLBの舞台でマスクを被る姿が見たいですね。
トレード② マッコ⇔スミス&ステフェン
We have acquired LHP Adam Macko from the Toronto Blue Jays in exchange for INF Josh Smith and Minor League RHP Josh Stephan. pic.twitter.com/w43xj2UrMw
— Texas Rangers (@Rangers) 2026年8月3日
このトレードの狙いは以下の3点にあると思います。
①今季大不振&オフのノンテンダー候補だったスミスを別アセットに変換
②ブルペンデプスの補充
③UTプレイヤー渋滞による人員整理
スミスのトレードに関しては昨シーズンのアドリス・ガルシア(今季フィリーズ所属)の例を思い出すとイメージが付きやすいと思います。ガルシアは昨夏にトレード候補になっていましたが、トレード移籍は成立しませんでした。オフにもトレードを模索するもののノンテンダー期限までにトレードを実行出来なかったためノンテンダーとなり、チームに何一つ資産を残さず退団となってしまいました。今季のスミスは過去2年連続wRC+100を超えていた打撃が完全に沈黙し、元々平凡よりだった打撃指標を更に落としてしまいました。守備でも今年は名手セミエンの後釜のセカンドのレギュラーとして期待されていましたが、セカンドで大きな守備マイナスを叩き出してしまうなど攻守で精彩を欠いてしまう事に。今オフにはノンテンダー候補になっていただけに、このタイミングで別の選手と交換をしたのは、ショジュ・スミスと言うアセットをタダで失う損失を鑑みると理解出来るディールではあります。
また、現在の40人枠に内外野を守れるUT選手がやや飽和してきている点もスミストレードに踏み切った要因ではないでしょうか。スミスとはズッ友みたいな雰囲気があるエゼキエル・デュラン(昨季は投手でプレー)は捕手以外全てのポジションをこなせますし、コディ・フリーマンやキャム・コーリー、ニッキー・ロペス、ジャスティン・フォスキューらも複数のポジションを守った経験がある選手です。
アダム・マッコ、ええやん


Adam Macko Stats: Statcast, Visuals & Advanced Metrics | baseballsavant.com
https://prospectsavant.com/player/671936
より画像引用。
レンジャーズが獲得したのが25歳の左投手、アダム・マッコとなります。
今季MLBデビューを果たしたルーキーなのですが、スロバキア出身で初のMLB選手となった選手です。今年開催されたWBCではカナダ代表としてプレーをしていたようです(WBCはほとんど見ていないので知りませんでした…)。速球とスライダーが投球のおよそ8割を占める左投手で、いくつかの映像と数字を確認する限りスライダーは中々良いボールだなと思いました。その一方、速球に関してはリーグ平均レベルかそれ以下の特筆すべき点がない凡庸なクオリティであると感じています。また、今季MLBで22登板を果たし防御率こそほぼ5点台ですが、平均打球速度やハードヒット%は抑える事が出来ています。現在チームのブルペンの一員であるロビー・アーストラムも同じサウスポーで被打球管理に長けた投手であることから、能力の活かし方のレシピが既にあるというのは投手育成能力が皆無なチームにとっては安心材料になるでしょう。マッコに関しては今季と言うより来季以降の戦力という意味合いが強いため、即戦力かつハイレバレッジリリーバーを望んでいたチームにとってはミスマッチですが、良い人材を確保できたのではないかと認識しております。
Thank you, Josh, for your commitment to the organization over the past five seasons.
— Texas Rangers (@Rangers) 2026年8月3日
Best of luck in Toronto. pic.twitter.com/Z5oDAKV8D8
スミスと言えばやはり2024年シーズンの活躍が未だに大きく印象に残っています。開幕直後にジョシュ・ヤンが昨年チームに在籍していたフィル・メイトンによる死球で手首を破壊され長期離脱に。ヤンの代役としてサードでの出場機会を得ると、その年の前半戦はwRC+151(!?)とオールスターに選出されなかったのが信じられないレベルで打ちまくり、数少ないチームの明るい話題となっていました。8月のアストロズ戦のサヨナラホームランは今でも私の中では強烈なハイライトになっています。
JOSH SMITH WALK-OFF. RANGERS WIN. RANGERS WIN.
— FanDuel Sports Network Southwest (@FanDuelSN_SW) 2024年8月6日
@Rangers | #StraightUpTX | @BallySports 📺 pic.twitter.com/LsFAb8wpkZ
また1人2023年の優勝メンバーが去ることとなりました。新天地トロントでの活躍を期待しています。
今夏行った2つのトレードムーブなのですが、この2つのトレード自体は全く問題はなく、むしろ素晴らしい動きではあると思います。では、ここからが本題となります。何故今夏のTDLでテキサスファンの多くが阿鼻叫喚の声を上げていて、トレード評価で多くのメディアから軒並み低い評価を受けているのか?それについて少し長くなりますが考察と解説が出来ればと思います。
というより、今回のブログはここからがメインです。
- 買い手にも売り手にもなれなかった2026夏
- フロントとオーナーの意思統一プロセスの不明瞭化
- フロントの判断を鈍らせた2つのファクター
- ノートレード条項は重い足枷
- マジで金ないんか?
- ボディーブローのように響いている今冬のゴア獲得
買い手にも売り手にもなれなかった2026夏
買い手にも売り手にもならなかったという事で、何者にもなれなかったというのが今年のTDLの評価となります。
How did your team do at the 2026 MLB trade deadline? 🤔 pic.twitter.com/NGVJhp10Yf
— The Athletic (@TheAthletic) 2026年8月4日
The AthleticのTDL評価ではC+となっていて、下にも何球団かが存在していますがTEXより下の評価は再建中のチームばかりで「売り手側だったにも関わらず、強豪から適正な対価を得る事が出来なかった、しようとしなかった」という市場における交渉不足と保守性が苦言を呈されています。TDL最終日時点で首位まで2.5ゲーム差だったチームにしてはあまりにも臆病な姿勢であり、補強必須ポジションを埋めなかった危機感の無さは非難されて然るべきだと思います。
フロントとオーナーの意思統一プロセスの不明瞭化
私は今年のトレードデッドラインにて、現状のチームは現場の選手・首脳陣とフロント、そしてオーナーの3者間で考え方に隔たりがあると感じてしまいました。球場でプレーする選手や監督コーチは当然今年は勝ちたい、プレーオフに出たいという思いで日々の試合や準備に臨んでいるのでしょうが、球団フロント、そしてオーナーのレイ・デービス氏は別の考え方をしているのではないか?と思わざるを得ませんでした。今夏は補強に動くべき派とむしろ売り手として振舞うべき派で意思統一と決断プロセスが曖昧になってしまい、気付いたら何も出来ずにタイムオーバーとなってしまったのかなと推察されます。本当に何をしたかったのか分からなかったですし、ブログタイトルにもあるように「(貴方たちの)嘘偽りのない本心と真実を見せろ」という気持ちが募り、大きなフラストレーションを感じたTDLでした。
フロントの判断を鈍らせた2つのファクター
今回のTDLの失敗をもたらした原因はフロントの判断ミスにありますが、TDL最終日前に発生した2つの事件がフロントの行動と思考を鈍らせたのだと思います。
①首位攻防戦のアストロズ戦で屈辱のスイープ敗戦
もう終わった事をいつまでもグダグダ言っても仕方がないのですが、正直に言いますとあのカードでスイープを許さなければ間違いなく先述のトレード以外の補強があったと思います。TDL締め切り前最後の対戦カードでのあの無様な負けっぷりは確実にフロントの判断に影響を与えたはずです。今でもあのカードは思い出すだけで不愉快になるのでここまでにしますが、シーズンの順位争いだけでなくTDLでの立ち回りを破壊されたあまりに痛い3連敗でした。
②時間を割きすぎたデグロムのトレード交渉
先のアストロズへのスイープを受けてモチベーションがドン底となってしまい、TDL最終日はほとんど追っておらず、期限終了2時間前に起床し最低限の移籍情報把握と駆け込み移籍を軽く追うのみに留まっていました。そのため、ATLとTEXの球団間でデグロムのトレードが合意していたというニュースを知ったのはその日のお昼でした。
Jacob deGrom was going to be the Braves' guy, but he invoked his no-trade clause, @Ken_Rosenthal reports. pic.twitter.com/gNfrWXXjMO
— Foul Territory (@FoulTerritoryTV) 2026年8月4日
Rangers pitcher Jacob deGrom on reports of him declining to waive his no-trade clause: “I want to be here. I believe in this group. Obviously, the last road trip didn't go well, but I believe we can win. I signed here to help this team win a World Series. …”
— kennedi landry (@kennlandry) 2026年8月3日
デグロムがトレード拒否権(ノートレード条項)を発動させ、移籍を拒否した件は噂が先行したフェイクではなく事実です。ノートレード条項に関してはFA権同様に選手個人の権利であり、今回のデグロムの決断に関しては私からは何も言う事はありません。
ですが、フロントがデグロムのトレード交渉に関して本腰を入れ、多くの時間を浪費したことが今夏のTDLの破綻に繋がったという事実は批判の声が上がっても仕方がありません。デグロムを放出出来れば年俸負担をしたとしてもこれからの資金繰りは楽になるでしょうし、見返りで得たプロスペクトと年齢や役割が被るプロスペクトをトレードの弾にして弱点を埋める補強の機会が生まれるのは魅力的な選択肢でした。ですが、現実はデグロムのトレードは起こり得ず、チームは市場にいる選手との交渉と獲得の機会を完全に失ってしまいました。
ノートレード条項は重い足枷
水面下で発生していたデグロムのトレード交渉の経緯から改めて「30球団のトレード拒否権、ノートレード条項」はチーム編成における大きな障害になると実感しました。私自身はデグロムトレード放出推奨派ではありませんが、デグロムという大きなヤマを動かすことに成功していれば、売り手であろうが買い手であろうが次の動きに進める事が出来たはずです。チームの問題や意思決定を完全に後回し、問題解決を放置した感が否めずフロントへの不信感が募っています。またデグロムの他にもネイサン・イオバルディ、昨冬移籍してきたブランドン・ニモもまた全球団のノートレード条項が契約に含まれています。トレードの期限が定まっており、その年にドラフトした選手をまだトレードアセットに含めることが出来ない夏の移籍市場ですと彼らのような強力なトレード拒否権を持つ選手を市場で売るためには、数グラム単位でカロリー摂取を計算し軽量に挑むプロボクサー並みにタイトな交渉になるのでしょう。
実はブログ以外にもnoteも運営しているのですが(なお投稿は今年1月の1本のみ…)、時間がある時に「全球団トレード拒否権」がどれだけのデメリットになるかについて改めて書きたいなと思っています。忘れてなければ、ですが(笑)
マジで金ないんか?
ここまで愚痴をこぼしてきましたが、結局のところ現在のレンジャーズには資金面に大きな不安があるのではないか?というのがTDLが数日が経過した今、私の中で一つの結論になっています。
Rangers Have Minimal Financial Flexibility As Deadline Approaches https://t.co/SbqJRBvzwj pic.twitter.com/djjCyiGqg9
— MLB Trade Rumors (@mlbtraderumors) 2026年7月29日
え、何で?
今季ここまでのTEXの総年俸は190M前後、贅沢税対象額は217M程で2026年贅沢税課税ラインの244Mまではかなりの余裕があります。このような状況であることから、パフォーマンスは優秀ながらも年俸の高さや契約がネックになっているリリーフ投手(今夏MILに移籍したアントニオ・センザテーラなど)の年俸を飲み込むことで、比較的安い対価でハイレバレッジ・リリーバーを1枚加えるものだと考えていました。僅差であるもののALW1位だった時点でこのような記事が出ていて、誰も獲得に動かなかったという事は本当に予算的な制約があったのか?と勘繰ってしまいます。こうなると、スミス(今季年俸3.25M)のトレードは先述した理由の他に予算削減の意味合いも多少あったのではないのでしょうか。
数年前のダイヤモンド・スポーツ・グループ(バリー・スポーツ)の破産申請により、25年以降の放映権料が消滅。その補完のため、昨年からRangers Sports Network(RSN)という自前の放送局を立ち上げましたが、近年の球場入場者数も減少に伴い球団収益があまり出ていないのかなと思っています。
ボディーブローのように響いている今冬のゴア獲得
Here are the full details of the trade that will send MacKenzie Gore to the Rangers, per multiple reports.
— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) 2026年1月22日
What are your thoughts on the trade? 🤔 pic.twitter.com/I7qt7GAA3c
この夏の悲劇は今冬からシナリオが進行していたのかもしれません。記憶に新しいであろう今年1月のマッケンジー・ゴア獲得ですが、この獲得で当時の傘下20位以内のプロスペクトを5人放出いました。もしこのトレードで移籍した5人の若手のうち1人でも有望株を守る事が出来ていれば、この夏の交換チップとして活用することが出来たはずです。ゴアがその放出を忘れさせてくれるくらい素晴らしい投球をしていれば問題はなかったのですが、現状は多少の不運はあれどシーズンを通して不安定でグラグラした投球が目立っています。やはりエース級左腕を1対5のトレードで獲得するのは危険と言う歴史に倣うべきだったのでしょうか(シアトルの方向を見つめながら)。冗談はさておき、最近第一子が誕生したということでゴアにはシーズン残りの登板では快投を連発して欲しい所です。
トレードで放出された若手5選手のうちオルティズは既にMLBデビュー済み。残りの4選手は現在WSHの傘下20位以内に入っているようです。このブログを書くに際して初めて確認しましたが、現時点では微差とは言えフィーンよりフィッツジェラルドの方が評価を高めているんですね。というかフィーンって内野手ではなく外野手に転向にしたんですか?(笑)
ここまで批評をしてきましたが、評価出来るポイントは僅かですがあります。
◆トレード市場においてオーバーペイを避けられた
◆どう考えても世界一の可能性がないシーズンに大枚叩いて補強しなかった
今夏のTDLの移籍を完全に把握していないのですが、一部取引に見られたオーバーペイ気味のパッケージを鑑みると今夏テキサスが実行した2件の取引は妥当かむしろ優位な内容であったと思います。このブログ投稿時にはちょうど勝率5割で地区首位まで1.5ゲーム差の2位、ワイルドカード3枠目のプレーオフ圏内にいるチームですが、今年2026年は仮にプレーオフに出ても世界一の可能性はどう考えてもないと思います。そもそもこの状況はTEXの実力や努力などではなく、アメリカンリーグ全体が沈下している事による幸運の産物であることは否めません。
そんなシーズンに今冬のゴア獲得のような大物獲得に動き、干からびたマイナーにわずかに点在する花をも摘み取る行為は無謀を飛び越え自爆でしかありません。最悪のシナリオを回避できたのは不幸中の幸いだったと思います。
いや、やはり売り手にも買い手にもならない中途半端な臆病者ムーブの時点で一切評価出来ませんね。全体の意思統一と異常なまでの保守性、編成のアンバランスさを修正しようとしない腰の重さなどフロントの軟弱さと散漫さが内外に露呈された2026年のTDLでした。残りのシーズンがどうなろうと、それはあくまで結果でしかありません。結果が導かれるまでの過程が支離滅裂であるため、今季に関してはチームとフロントに対しては少なからずの失望と苛立ちを抱えるシーズンとなりました。シーズン残り46試合は勝利と言う結果以上に、評価に値する内容をチームの選手と首脳陣、フロントは見せて欲しいと思っています。
総括
まとめるとー。
TEXさんのTDLの動きが酷すぎたせいか、数年ぶりに夢〇をしてしまいました。
以上です。













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