シーガーない野球ブログ

テキサス・レンジャーズという世界一1回の名門チームを応援しています

2023年夏、レンジャーズのTDLを考察する

どうもエニグマです。

 

MLBファンにとっての一大イベント、トレードデッドライン(長いため今後“TDL“と表記)の季節ですね。

レンジャーズファンとしてはここ数年のTDLではシーズンの成績不振から売り手に回る事となり多くの選手を別チームに放出、中にはジョーイ・ギャロ閣下(2021年移籍)のようなチームの顔と呼ばれる選手との別れなどがありました。

しかし今季はここまでアメリカンリーグ西地区の首位を走り2016年以来となる地区優勝&プレーオフ進出が狙える好位置に付けています。そのため、TDLでは他のコンテンダーと同じように買い手側になる事が出来ました。

既に6月末(現地時間)にロイヤルズからアロルディス・チャップマンを獲得し課題であったリリーフの補強に成功していますが、元々ガラス細工のような脆さを露呈していたブルペンはまだまだ不十分であり更なる強化を図りたいというのがチームの首脳陣としても1ファンとしても本音ではないでしょうか。

 

そこで今回はTDLでレンジャーズが獲得を狙いたい選手を考察…と言いたい所ですが当記事を作成している最中MLBネットワークのジョン・モロシ記者からこのようなツイートが投下されました。

 

レンジャーズは先発とリリーフの獲得に注目していて、それを1つのトレードで両方のニーズを満たすトレードパッケージを狙っている」というものです。

前述でブルペンの厚みが足りないと指摘しましたが、先発陣もここ最近は打ち込まれるケースが目立っておりイオバルディ以外はやや頼りない印象があります。そこで課題のリリーフを補充し先発にもう1ピースを加えるというこのプランは理に適ったムーブだと思います。

そこで今回は若干予定を変更してモロシ氏のツイートに則り先発&リリーフを獲得出来るトレードパッケージを考察していこうと思います。

トレードパッケージ

ホワイトソックス

パッケージ→ランス・リン(先発)、ジョー・ケリー(リリーフ)、キーナン・ミドルトン(リリーフ)、ケンドール・グレイブマン(リリーフ)

実現可能性 5

この度紹介する5つのトレードプランのうち最も実現可能性が高いと考えているのがホワイトソックスとのトレードです。今夏は先日のジオリト&ロペスのトレード放出を皮切りにロバートやシーズといったコアメンバーを除いた多くの選手が交換対象となっているはずです。

リンは2019、2020の2シーズンにレンジャーズに在籍しておりその間2シーズンはサイ・ヤング賞投票で6位以内と好成績を収めていました。今年は昨年痛めた膝の影響からなのか打ち込まれるゲームが非常に多くなっています。奪三振率や空振り率、スピンレートは依然健在なのですがハードヒット%、バレル%を中心にネガティヴな数字が並び体型管理と同じくらい打球管理が出来ていないというのが現状です。年俸は高いですが対価としてはそこまで要求されないでしょうからローリスクで先発補強を画策するのであれば悪い選択肢ではないと考えます。

残り3人のリリーフは手短に紹介します。ケリーは今のレンジャーズに不足している右の速球派ポジションを担える存在です。制球力に不安はありますがレッドソックスドジャーズ時代にはプレーオフに出場した経験がありますのでチームのプラスになると思います。ミドルトンは長打を打たれるリスクが高い投手ではありますがその他の指標は軒並み好調でスミス、チャップマンと並び勝ちパターンの継投に是非加えたい人材です。グレイブマンは来年も8Mの契約が残っており今季スミス、チャップマンの契約が切れるレンジャーズとしては獲得出来れば来季の守護神候補として考えるかもしれません。

リンのバリューの低さ、ケリー&ミドルトンが数ヶ月のレンタル選手と考えると今回紹介する5チーム比では低いレートでの取引になると考えられます。ミドルトンを獲得する場合はもう少し対価が必要になると思いますが十分現実味のあるパッケージで収まるはずです。

②タイガース

パッケージ→マイケル・ロレンゼン(先発)、ホゼ・シセネロ(リリーフ)

実現可能性 4

ホワイトソックスの次にトレード相手として可能性が高いと考えているのがタイガースです。エデュアルド・ロドリゲス、ジェイソン・フォーリーなどの名前もTDLで名前が挙がっていますがロドリゲスは今季オフにオプトアウト権持ち、フォーリーは2027年まで保有可能な選手であるためリスクや対価の面から今回は紹介しません。

ロレンゼンは速球(シンカー系含む)、スライダー、チェンジアップの3球種主体で攻めていく投手で今季は制球力に磨きがかかりここまで好成績をマークしています。トレード前最後の登板となったエンゼルス戦で記録がストップしてしまいましたが22.1イニング連続無失点など好調をアピール。今季限りの契約ということで獲得競争が激しくなりそうですが是非とも獲得を狙いたい選手です。シセネロは右のパワーピッチャーの需要を感じているレンジャーズのニーズを満たしうる可能性があり、今季FAということもありロレンゼン抜きに考えても獲得候補として考えて欲しい選手です。

カーディナルス

パッケージ→ジョーダン・モンゴメリー(先発)、ジャック・フラハティ(先発)、クリス・ストラットン(リリーフ)

実現可能性 3

永久保証、終身名誉コンテンダーかと思われたカーディナルスでしたがチームレジェンドのモリーナ、プホルス引退の余波があまりに大きかったのか今季は開幕から低空飛行なシーズンとなり7月中旬には球団から今季は売り手に回るとの宣言。解体ショーというレベルでの大放出はないとは思いますが今季限りの選手に関しては積極的にトレードテーブルに乗せてくるでしょう。

モンゴメリーは昨夏もヤンキースからカーディナルスにトレードされていてもしかすると2年連続TDLでの移籍が実現するかもしれません。特別目を見張るボールや指標はありませんがコントロールに優れゴロを打たせるのが得意な投手です。レンジャーズの内野守備、ハイムのフレーミングによっては更なる成績向上が見込めプレーオフで大きな戦力になるかもしれません。

フラハティは2019年後半のスーパーエースモードが遠い昔に感じる程ここ数年は苦難のシーズンが続いておりFAイヤーを迎えてしまいました。対価という観点から行くと「底」と言わざるを得ないので損切りのような形でもトレードという選択肢となると思います。先発ローテの枚数確保という点では獲得を検討したい選手です。

ストラットンは元々スピンレート系の指標に非常に長けた投手で今季はコントロールも改善傾向にあります。チームに迎え入れられれば今のチームではバークと同じくらいの立ち位置になるかもしれません。また彼は過去2年リリーフ専門ながら数多くの勝ち星を得ていて勝利を呼び込む幸運の右腕という役割にも期待したい所です。

④パイレーツ

パッケージ→リッチ・ヒル(先発)、デビッド・ベッドナー(リリーフ)

実現可能性 2

シーズン開幕当初こそロケットスタートで地区首位にいたパイレーツですがその勢いを継続することは叶わず、チームはトレードバリューが高いケラーやベッドナーに関してトレードトークを受け付けるなど売り手に回るTDLとなってしまいました。ケラーも獲得を狙いたい選手なのですが2026シーズンまでコントローラブルの若手先発ということもあり対価がかなり高騰すると予想されますので保留とさせていただきます。

ヒルは御年43歳ながら未だMLBのローテを回るベテラン左腕。正直投げているボールや指標的には限界感がありますがドジャーズ時代POでの経験があり他選手への指南役、メンターポジションを担える先発兼スイングマンとしての起用となるでしょう。

このパッケージ最大の目玉はベッドナー。速球、カーブ、スプリットの3球種はいずれも威力満点で2026年まで保有可能となっています。対価や競合チームを考えるとかなりの出血を覚悟されますし獲得難易度が伝説ポケモン並みになるはずです。ですが、スミス&チャップマンが今季FAというチーム事情、向こう数年はコンテンダーとして戦うであろう姿勢を考えるとここで多少の無理をしても手に入れたい投手ではあります。これにミッチ・ケラーをW獲得となれば…ファームシステムが枯れてしまうかも…

パドレス

パッケージ→セス・ルーゴ(先発)、ジョシュ・ヘイダー(リリーフ)

実現可能性 0以上1以下

最後の最後で問題児パッケージが出てきました。当ブログ更新の翌日にレンジャーズ-パドレスのシリーズが始まるのですがここでもしレンジャーズがスイープ勝ちという形に終わった場合もしかしたら有り得るかも、というレベルの話ですけど。それ以外でしたら今季のTDKパドレスは買い手側に回ると思われます。スネルも魅力的な選択肢なのですが対価とチームのニーズを鑑み、天秤にかけた際若干合わない気がしたのでここではスルーします。

ルーゴは指標ではネガティヴな数字がやや目立ちますが制球力が素晴らしくリリーフ時代と平均球速が変わらない身体のエンジン量があります。来年は7.5Mのプレーヤーオプションがあり2024年の先発ローテの一人という計算も可能でありプレーオフではブルペンで起用するなどチームのスターター&ブルペン両方に厚みをもたらしてくれるでしょう。ヘイダーはもはや説明不要でしょう。昨年の不振を乗り越えBB%以外の数字、指標はかつての水準を取り戻し再びメジャー最強クローザーの一人に返り咲きました。スミス、チャップマン、ヘイダーの左腕3枚ブルペンが実現したら…

 

以上5ケースのパッケージを考えてみました。単品で欲しい選手となれば

ルーゴ(パドレス

ベッドナー(パイレーツ)

モンゴメリーカーディナルス

ミドルトン(ホワイトソックス

ロレンゼン(タイガース)

この5人の内1人は是非チームに迎え入れて欲しいです。

 

総括

まとめるとー。

日本のスポーツメディアは選手のトレードに関して「電撃移籍」という表現を好んで使っていますが割と予想内の移籍であっても判を押すようにこの言葉を使うのは改めた方が良いと思います。

以上です。