シーガーない野球ブログ

テキサス・レンジャーズという世界一1回の名門チームを応援しています

小さなボートのようだった開幕1ヶ月をプレイバック

どうも、エニグマです。

MLBが開幕してからちょうど1ヶ月が経過しました。日本では大型連休が始まったらしく(休みって何??)月の変わり目という丁度良いタイミングですので3,4月のテキサスを振り返ろうと思います。

 

①鬼門の4月を5割で乗り切る

rangers-seagernaiblog5.hatenablog.com

4月の頭にこのようなブログを投稿した通りテキサス・レンジャーズは開幕から正念場とも言えるような厳しい日程をこなさなくてはなりませんでした。4月から17連戦という大型連戦がありその最後10試合は敵地でのゲーム。それもHOU,DET,ATLと非常にタフなマッチアップが予定されていてここで大きく負けを記録してしまうのではないかと危惧しておりました。

先に結果を述べると当ブログ執筆時点(4/29)で今季成績は15-14でわずかに勝ち越し5月(現地時間では4/30のナショナルズ戦が4月ラストゲーム)を迎えることになりました。特にここ10試合は連勝は1度もなく、貯金1と勝率5割を反復横跳びするドキドキの成績となっていました。3,4月の最高連勝と連敗は共に3と大きな波風に吹かれることがない小さなボートの旅路のようなシーズンの幕開けだったように思います。

 

②打線、打てん中止

今季ここまでにテキサスにおける最大の誤算は?と尋ねられたら皆様はどう回答するでしょうか。先発投手に故障者が多発、勝ちパターン以外のリリーフ(バーク、アンダーソン、ロドリゲス、プルイット等)が揃って期待を裏切る背信投球を犯してしまったことが挙げられるかもしれません。ただ私はここまでチームがやや苦戦している最大の要因は打線の低調にあると考えています。特に昨年WSMVPに輝きチーム最高の打者であったコーリー・シーガーはオフのヘルニア手術が尾を引いているのかここまで打率.238 本塁打2 OPS.642と鳴りを潜めています。また今季の打線の注目株であった二人のルーキー、エバン・カーターとワイアット・ラングフォードも要所要所で大器の片鱗を見せているのですがチームに大きなインパクトを与える選手となれていません。5月からは心機一転し活発で破壊力のある打線を見たいです。

 

③3,4月の投打MVP

大型トラックの初速のようなスローなスタートだったチームですがその中で輝きを放ちチームに貢献した選手を野手、投手から一人ずつ選出したいと思います。

野手→マーカス・セミエン

 

投手→カービィ・イエーツ

 

野手ではfWAR&rWAR共にチームトップ、今季ここまでリーグ最高レベルの守備力でチームを牽引するセミエンをここまでのMVPに推したいです。ここ数試合は低空飛行となっていますが先日のレッズ戦では8回裏に決勝点となるホームランを放ちチームの苦境を救いました。低調な打線の中でキャリアハイペースで打棒を振るっているアドリス・ガルシアも候補にしようと考えていました。がしかしガルシアは体重増+加齢による衰えなのかスプリントスピードを大きく落としてしまい今季は評価の高かった守備力に綻びが生じています。バッティングだけでなく野球における守備、走塁能力を鑑みた結果セミエンを選出させていただきました。

投手では故障者リストに入っていなければ間違いなく今季突然のブレークを果たした子ディ・ブラッドフォードが最有力候補でした。しかし今回はシーズン途中からクローザーに定着し未だ防御率0.00を誇っているイエーツをチョイスしたいです。球種は速球とスプリットの2つ、それも速球は最速で95マイルが出るか出ないかという現在のMLBでは遅い部類なのですが未だ被長打はゼロ。もう一つの持ち球であるスプリッターは未だ被安打.000、空振り率42.9%と支配的なマネーピッチとなっています。

 

逆に最もチームの足を引っ張った選手は今季更なる飛躍を期待されていたジョシュ・ヤンに長期離脱となる死球を与えたレイズ所属のフィル・メイトン投手になるでしょうか。正三塁手であるヤンが不在というチームの窮地でステップアップしたのが次に紹介する選手になります。

 

④Joshの穴はJoshが埋める

開幕前スミスがチームにとって重要な選手になると誰が予想できたでしょうか?先述の通りジョシュ・ヤンが手首を骨折してしまいチームに大きな危機が訪れましたがそれを補うかのような好成績を収めています。打率.304はチームトップ、OPS.858&rWAR1.3はセミエンに次ぐ数字でまさにJosh(Jung)の穴をJosh(Smith)で埋めた格好となりました。このままこの水準で打ち続けるのであればヤンが復帰後は控えに回るのではなく外野での起用がメインになっていきレギュラークラスになるかもしれません。

 

⑤飛び出せルーキーの森

世界一になった翌年のチームは大抵実績のある選手がロスターの大部分を占めておりルーキーが4月時点で何人も昇格&MLBデビューというケースは少ないと思います。しかし今季ここまでのTEXはトッププロスペクトであったラングフォード以外にも多くの若手選手がメジャーデビューを果たしています。

ワイアット・ラングフォード(22)傘下1位

ジャスティン・フォスキュー(25)傘下4位

ジャック・ライター(24)傘下7位

デービス・ウェンデル(26)

コール・ウィン(24)

ラングフォードに関しては後述でしっかり話すので残りの4人について話していきます。フォスキューはアストロズの守護神ヘイダーからMLB初ヒットを放つ幸先の良いスタートを切ったと思ったらその後故障でDL入りと残念な結果に。そのフォスキューの穴埋めという形で昇格したウェンデルはMLBの壁に早くもぶち当たったような寂しい数字ですが先日のレッズ戦では嬉しいプロ初本塁打を記録しました。2021年ドラフト全体2位、MLB通算162勝の名投手アル・ライターを父親にもち大きな期待を受けてきたジャック・ライターでしたがMLB初マウンドとなったタイガース戦では課題の制球力不足から悔しいデビュー戦を経験しマイナーへ降格となってしまいました。マイナーでは昨年までとは違う姿を見せていますので一回り大きくなってMLBに戻って欲しいです。

ここまでの3人とは異なりコール・ウィンは今季チームの中で大きな役割を担う存在になっていくかもしれません。ここまでビハインドの場面での登板のみでプレッシャーがかかる局面でのマウンドはまだありませんが未だ失点どころか被安打すらなし。今季から本格的にスプリッターを投球バリエーションに加えたそうで同球種を操るイオバルディ、イエーツから色々レクチャーを受けているようです。現在のブルペンからレクラーク、ロバートソン、イエーツの3人が今季限りでいなくなる可能性があるチームにとってウィンがリリーフに定着すれば非常に大きなリソースとなるでしょう。

 

⑥ラングフォードってどうなん?

先程今季ここまで5人のルーキーがMLBデビューを果たしたと紹介しましたがその新人5人の中で最高の選手、傘下1位の選手がワイアット・ラングフォードであります。スプリングトレーニングで快音を連発し開幕ロスター入り&スタメンを掴み取るなど今季のAL新人王有力候補の1人と高い評価を受けていました。

しかし開幕1ヶ月は期待されているような数字を残せずプロの洗礼を浴びる結果となっています。高めのゾーンでの速球への対応、引っ張る打球が少なくボールへ合わせるようなソフトな打球が目立つなどいくつかの課題が見られます。

ではラングフォードは5月以降もこのまま低調な打撃が続くのでしょうか?彼が反撃の5月を迎えるかどうかを握るある一つのデータを紹介します。

 

 

上記2枚の画像は「ワイアット・ラングフォードは今季ゾーンの外側(ボール球)をストライクとコールされた数がMLBで最も多い選手である」ことを示しています。とりわけ外角低め付近のボールをストライクコールされるケースが際立っているようです。某人気漫画で「生殺与奪の権を他人に握らせるな!!」という有名なセリフがあるのですが現在のラングフォードは審判のコールによって生きる(出塁)か死ぬか(凡退)が委ねられる不運な状況にあるのではないかと考えています。

今年大きな物議を呼んだエンジェル・ヘルナンデス主審の外角のボール球を3球連続でストライクコールした際の打者がラングフォードでありこのデータを裏付ける、象徴するような1シーンでありました。

とはいえ4月(日本時間)最後の試合である29日の試合では待望の初ホームラン、それもランニングホームランというラッキーな形でMLB初HRを放ちました。ここから状態を上げていって欲しいですね。

 

⑦逆襲の5月、キーマンとなる選手は

ここまでご覧いただきありがとうございます。最後に逆襲を狙う5月の鍵を握るキープレイヤーを挙げてブログを締めようと思います。

その選手とはやはりコーリー・シーガーでしょう。既に述べた通り今季は非常に低調なスタートとなり打撃の質でもここ数年ほどの優秀さ(zwOBA、xBAなど)を示すことが出来ていないようです。ですがシーガーは例年3,4月は打率.250前後、OPS.700程度のどこにでもいるような平凡な成績でスタートすることが多いためある意味ここまでの不振は予定通りと言えるかもしれません。昨年の爆発的な打線の中心にいたのは間違いなくシーガーであったため5月の反撃を願うばかりです。

 

総括

まとめるとー。

今から8年ほど前元TEXのイアン・キンズラー(当時タイガース所属)がエンジェル・ヘルナンデスに対して「明日から別の仕事を探すべき」と発言していたのですが本当に明日から他の仕事を検討すべき時が来ているのではないかと思います。

以上です。